ビオフェルミンは、整腸剤として犬に与えても問題はありません。
ですが小型犬に与える場合は、給与量と注意したい点がいくつかあります。
ここでは穏やかな効きめビオフェルミンの、小型犬に対する効果と与える量、気をつけるべきことをまとめています。
目次
犬にも使えるビオフェルミン
ビオフェルミンの主な成分は、ビフィズス菌と乳酸菌で、穏やかにお腹の調子を整えてくれます。
大腸で働くビフィズス菌
ビフィズス菌は大腸に棲みついて、からだに有害な物質を作り出す悪玉菌が増えるのを抑えます。
大腸は排便を促す働きがあるので、ビフィズス菌が増えると、便秘の解消が見込めます。
小腸に棲みつく乳酸菌
ビオフェルミンには2つの乳酸菌、フェーカリス菌とアシドフィルス菌が含まれていて、おもに小腸に棲みついて、悪玉菌が増えるのを抑制したり、善玉菌を増やして腸内バランスを整えます。
小腸はおもに食べた物を消化する働きがあるので、乳酸菌が棲みつくことで消化を促進して、栄養の吸収を高め、免疫力アップにつながります。
生きたまま腸に届かせるのが大事
乳酸菌とビフィズス菌はどちらも、生きたまま腸まで届かないと意味がありません。
犬の胃酸はヒトより強いと言われているため、ビオフェルミンを犬に与える時は、食事と一緒か食後に与えるのが良いでしょう。
お腹が空いてるときは胃酸が強く働いて、せっかくの菌が腸まで届かない可能性があるからです。
ビオフェルミンの給与量と注意点
ビオフェルミンには、錠剤と細粒の2種類があります。
錠剤はヒトの場合5歳以上から、細粒なら乳幼児から服用できるので、小型犬に与えるなら体に優しい細粒の方が良いかもしれませんね。
粉タイプならご飯に振りかけてあげる方法もあります。
給与量の目安
ヒトが錠剤を服用する場合、1回に3錠・1日3回が目安、なので上限が9錠。
人間の大人を約60kg程度と考えると、6kg程度の犬なら1日1錠が上限。
それより小さい子なら1日半錠くらいが目安になると思います。
細粒の場合、添付のさじ1杯分が錠剤の1粒に相当するので、小型犬なら1日半さじが上限の目安です。
気を付けたいアレルギーの心配
ビオフェルミンに関しては、アレルギーの心配は低いと考えられますが、絶対にないとも言い切れません。
特に気になるのは、ビオフェルミンの添加物に「トウモロコシデンプン」があるため、アレルギーのある子は避けたほうが良いと思います。
万が一、体調を崩すようなことがあれば、すぐに使用を中止して、動物病院で先生に相談してください。
ビオフェルミン成分(細粒)
コンク・ビフィズス菌末、コンク・フェーカリス菌末、コンク・アシドフィルス菌末、トウモロコシデンプン、デキストリン、アメ粉、沈降炭酸カルシウム
(錠剤はさらに以下の添加物)
乳糖水和物、白糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム
引用元:新ビオフェルミン公式サイトより
まとめ
ビオフェルミンには整腸作用が見込めますが、必ずしも犬に効果があるとは限りません。
もし下痢の症状が長引くようなら、動物病院で診察するのが賢明です。また、便秘の場合も、2~3日続いて解消されないなら、早めに獣医さんに相談しましょう。
もし他に薬を常用しているなら、思わぬ事態がおきないよう、ビオフェルミンを服用する前に獣医さんの指示を仰いでくださいね。
犬用ビオフェルミンとの違い
犬用のビオフェルミンは
- 用量がきちんと犬用に計算されている
- 配合されてる成分が違う
というメリットがあります。
前の記事でも触れてるように、犬の胃酸は人間より強いため、犬にあった乳酸菌が配合されているんですね。
ただデメリットとして、人間用のビオフェルミンよりお値段が高いんですよ。
なので必ずしも、犬には犬用を与えなければいけない、というものではありません。
もし家庭にヒト用のビオフェルミンがあるなら、きちんと用量を守っていれば、犬にも役立つ便利な常備薬になります。
【参考商品】共立製薬 ビオイムバスター錠(犬猫用)
ビオイムバスター錠は、犬猫用胃腸薬・整腸剤としてアマゾンで一番人気の商品で、100錠入り3,016円。
整腸作用のある乳酸菌と消化酵素が配合された製品で、消化不良と下痢の症状に効果が期待できます。
ビオフェルミンとは成分が違う!
ビオイムバスター錠の有効成分は、有胞子性乳酸菌とパンクレアチンで、これが犬の強い胃酸でもダメージを受けにくい乳酸菌。
犬猫用の特徴的な成分ですね。
またその他の成分としては、人間用のビオフェルミンと同様、ビフィズス菌・アシドフィルス菌・フェカリス菌が配合されています。
ちなみに投与量は1日2回、20kg以上は3錠、5~20kgまでは2錠、5kg以下は1錠と分かりやすくなってます。
犬がお腹を壊す原因って?
日常的に起こりやすいのは、食べすぎやドッグフード・おやつなど食べ物の変化や、消化の悪いものを食べた時。
また、突然ペットホテルや知人宅に預けられたり、引っ越しなどによって環境が変わったことのよるストレスなどが原因になることもあります。
ですが気をつけたいのは、異物や人間用の薬を誤飲したり、中毒性のある食べ物を口にしたとき、雑草などの拾い食い、食物アレルギー、何らかの病気が原因の下痢。
犬がお腹の調子を崩した場合、飼い主の目からすると何が原因か分かりずらく、安易に判断するのは危険な場合もあります。
病院に連れてくタイミング
いつもより緩いウンチが何日も続いたり、下痢と一緒に嘔吐が伴う時、元気がないようならすぐにでも病院に連れていきましょう。
特に子犬や老犬の場合、体力が落ちやすく急変する可能性もあるので、早めの対処が必要です。
体を丸めて震えている、あるいは体に触れると嫌がったり怒るような仕草がある時、熱っぽい時にも早めに病院で受診してあげてください。
ウンチが緩い程度で元気があるなら、一過性の場合もあります。
1~2日ほどお腹に優しい食事を与えてみたり、激しい運動を避けて様子を見守りましょう。
また軟便を繰り返すようなら、いつものドッグフードを見直したり、日常的にお腹の調子を整えるサプリメントを検討するのも良いかもしれません。
ビオフェルミンも良いですが、犬用サプリのこちらもおすすめ!
ウンチが出ない!犬が便秘になる原因は?
ウンチが出ないだけでなく、水分量の少ないコロコロとした粒状のウンチが出た時も、便秘の可能性があります。
ウンチが出にくくなる原因
【水分不足や食事の変化】
水を飲む量が少なかったり、ドッグフードの切り替えタイミングで、便秘になりやすいことがあります。
【運動不足】
運動不足になると胃腸の働きも鈍くなり、便秘になることも。人間と一緒ですね。
【ストレス】
下痢の場合と同様、環境の変化などによってストレスを感じると、自律神経が乱れてウンチが出にくくなることがあります。
【腸内環境の乱れ】
腸内バランスが乱れて、善玉菌が減少し悪玉菌が増えると、便秘になったり、逆に下痢になることもあります。
【老化によるもの】
高齢犬になると飲む水の量が減ったり、体力の衰えによって散歩の距離が短くなって運動不足になりがちとなって、便秘になりやすいと言われます。
日ごろからの対策
1日くらいの便秘なら問題ありませんが、何日も続くようなら病院で診てもらいましょう。
【水分と食事の見直し】
新鮮な水をいつでも飲めるよう、水飲み場は愛犬がリラックスできる場所に設置してあげましょう。
老犬の場合、立ち上がるのも億劫になることがあるので、リビングなど家族と一緒に過ごす場所にするのが良いでしょう。
食事もいつもより水分の多い、ウェットタイプや手作り食が良いかもしれません。
あるいはヨーグルトやサツマイモなど、腸内の善玉菌を増やしてあげる食品を、いつものフードにトッピングするだけでも、ウンチの改善が見込めるかもしれません。
ツボを刺激!
犬には腸の働きを整える2つのツボがあります。
①「大腸兪(だいちょうゆ)」
背骨を挟んで2カ所、しっぽ側の肋骨から突起5つ分しっぽに下りたところ
②「小腸兪(しょうちょうゆ)」
大腸兪(だいちょうゆ)からさらに、しっぽ側にすすみ骨盤に当たる部分
この2つのツボ、大腸兪(だいちょうゆ)~小腸兪(しょうちょうゆ)までを両手の親指で背骨を挟むように、5秒くらいゆっくり20~30回押してあげると、刺激になって便秘を予防できると言われます。
便秘のまとめ
犬の便秘症状は、日ごろの対策などで予防や改善が可能ですので、注意深く観察してあげましょうね。
とは言え、何日も便が出なかったり、繰り返すようなら早めに動物病院で相談し、適切なアドバイスをもらってください。
【参考記事はこちら】
⇉「プラスワン・PULUS WANでもう便秘に悩まない!健やかな老犬生活」