愛犬を迎えた日や誕生日は、飼い主にとっても特別な日ですね。
この時のために料理をしたり犬用のケーキを用意したり、と時間を費やしても、愛犬はペロリと一瞬でごちそうをたいらげてしまいます。
「いやいや、もうちょっと味わって食べてくれよ・・・」と思う飼い主ですが、犬にはそんなことお構いなしで、しっぽを振ってさらにおねだり。
どんなしぐさも可愛いですが、早食いは愛犬にとってデメリットになるのでしょうか?
目次
犬の早食い、これって何がいけないの?
人の場合よく噛まずに食事すると、消化に悪いとか太ると言われますが、犬の場合はどうでしょうか?
早食いは愛犬の健康にはデメリットだらけ?!
犬が早食いするのは血統によるものなので、ある意味仕方のないこと。
ですが野生時代とは違い、現代では食事が大きく変化したことで、犬にとってデメリットになることがあります。
胃捻転と胃拡張
犬が早食いすることで一番心配なのが胃捻転(いねんてん)です。
これは胃がねじれ、胃の中のガスなどが膨れて周囲の血管や臓器を圧迫するもので、最悪の場合、死に至る可能性があります。
特に胸部の深い大型犬種に発症しやすいですが、小型犬や猫にも起こりえます。
また、早食いすることで一気に、大量の食べ物が胃に入り胃が拡張して起きる、胃拡張。
単純に胃拡張だけなら、嘔吐や消化不良で済みますが、多くの場合ねじれを起こし、胃捻転を発症する可能性が高いと言われます。
【症状は?】
- 元気がなくなる
- お腹が膨れてくる(犬種によっては起こさないこともある)
- よだれを垂らす
- 落ち着きがなくなる
- 吐き気や嘔吐
- ゲップが頻繁になる
- 呼吸が乱れる
- 腹痛のため背中を丸め込む
このような症状が見られたら、早急に動物病院に連れていく必要があります。
のどに詰まらせることも
犬は早食いするだけでなく、ほとんど噛まずに丸のみする習性があります。
大きい食べ物でも一気にで飲み込んでしまうことがあり、のどに詰まらせて窒息する可能性があります。
やっぱり犬も太りやすくなる
犬は人と比べて満腹中枢が鈍いうえ、ほとんど噛まずに飲み込んでしまうので、満腹中枢が刺激されるわけでもありません。
またドライフードは胃の中に入ってから、水分を吸って膨張し、容量が増えて満腹を感じるため時間がかかります。なので、与えられればいくらでも食べれてしまうため、太りやすくなってしまいます。
ご飯を食べ終わっても、まだおねだりするのはそのせいだったんですね。
「足りてないのかな?」なんて甘やかすと、愛犬をどんどん太らせてしまうことに。
規定量を守っていれば足りないことはありませんから。
歯周病になりやすくなる
犬の唾液にはウイルスやバクテリアの繁殖を抑える抗体が含まれていて、歯垢や雑菌の繁殖を抑え、歯周病を予防する働きがあります。
ですが早食いで唾液が行き渡らないと、口の中で雑菌が増え歯垢がたまり、やがて歯石となって歯周病になりやすくなります。
歯周病は進行すると歯を失うことに繋がり、食事にも影響してくるので、是非注意してあげてください。
早食いのデメリット・まとめ
いかがでしたか?
犬の早食いにはデメリットが多く、死に至るケースもあります。
ご飯をよく食べてくれるのは嬉しいことですが、愛犬を苦しめることは避けたいですね。
あまりにも勢いよく食べすぎてるなら、ほんの少しでもスピードを落とさせる工夫は必要かもしれません。
フードファイターから卒業、早食いの防止方法
では飼い主として、犬の早食いをどうやって防止することが出来るでしょうか?
ドライフードを与えているなら
【フードを見直す】
今食べさせているフードより、粒の大きいものに変えてみるのも1つの手段かもしれません。
ただしすでに早食いの習慣があるワンコは、粒の大きさが変わったことにすら気づかず、今まで通り丸のみして、のどに詰まらせる心配があります。
この場合、フードの切り替えを少しづつ行い、様子を見守りましょう。
相変わらずの早食いなら、グッズを併用したり、手にとって少しずつ与え、噛む習慣をつけるようにしてあげましょう。
【フードをふやかしておく】
これならいつものフードで試すことが出来、愛犬も満腹感を感じることが出来るでしょう。
ただしふやかしたフードというものは、犬にはあまり好まれないことが多いようです。
また柔らかいことで歯に付着しやすくなって、歯垢の原因にもなり得ます。
ウェットタイプ・ドライフードどちらでも
【水分を加える】
どちらのタイプでも使える方法として、肉や魚のスープやヤギミルクや豆乳をフードにかけてあげる方法。
ご飯の量も増えますし、ドライフードも程度にカリカリ感が残りつつ、食べやすい状態になります。
少し温めてからあげると、ニオイもまして食欲をそそるかもしれません。
【食事の回数を見直す】
一般的に成犬の食事は1日2回に分けて与えますが一気に食べないよう、分量は同じで人間と一緒、3回くらいに増やしてみるのも良いかもしれません。
ですがこの場合、飼い主の負担が増え、お留守番の時間が長い家庭には不向きですね・・・
これが一番、最適かも!?
早食いを防止するご飯ザラ。
例えばこんなものとか
ウェットタイプならこんな感じでも
他にもたくさん種類があるので、楽天市場から「犬 早食い防止」と検索して、どんなものがあるか覗いてみてください。
多頭飼いが原因で早食いする場合の対処法
犬は一頭で食事してても早食いですが、その要因として「他の犬に取られないよう早く食べる」という習性も要因になっています。
そのため多頭飼いしてると、早食いに拍車がかかっているかもしれません。
まずは愛犬に「他の犬の食事を横取りしてはいけないこと」をしつける必要がありますね。
それでも難しい場合は、別々に食事を与えるようにしましょう。そうすることでいつも食事を取られてた子も、安心して食べることが出来るようになります。
早食い予防・まとめ
いかがでしたか?
早食いをやめさせることはできませんが、少しでも時間をかけて食事をさせることは可能です。
「そこまでする必要があるのか?」と、私自身思ってました。
ですが時々、犬の食事を慌てて用意して、食べてる様子を見届けないで出かけることがあります。
そんな時に万が一、ノドに詰まらせたり、胃拡張・胃捻転などを起こしていたら・・・と想像するとゾッとします。
「うちの子に限って」はありませんから、何らかの予防・防止対策を考えていこうと思います。